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「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会設立10周年に寄せて」
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平和のための博物館国際ネットワーク(INMP)からの祝辞メッセージ
「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会設立10周年に寄せて」
2021.12.01

継承する会代表、中澤正夫先生へ

 11月16日付のお便りで、ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会が設立されてから今年で10年になることを知り、嬉しく思いました。貴会が設立されてからの10年間、着実に発展し、被爆者の方々に支持されてきたことは、このような施設の必要性と価値が認識されていたことを物語っています。

 第二次世界大戦末期の原子爆弾使用や、その後の冷戦下での原子爆弾や水爆の無数の実験がもたらした悲劇(そして犯罪性)の大きさは、しばしば被爆者個人の体験や証言によって最も効果的に伝えられます。したがって、このような個人的な目撃に関連する証拠を収集し、保存し、将来の世代のために利用できるようにすることは、最も重要(かつ緊急)なことです。東京に予定されている貴会は、広島と長崎の原爆資料館を補完する最も重要かつ歓迎すべき施設であり、核戦争の現実と、核兵器と戦争を廃絶する必要性を世界に思い起こさせるものです。

 第二次世界大戦中、ヨーロッパで600万人以上のユダヤ人やその他の迫害された少数民族を絶滅させたホロコーストの言語に絶する残虐行為は、まさにこのような形で理解されるべきものです。歴史を繰り返さないために、世界各地にホロコーストセンターや博物館が設立され、訪問者は生存者の体験を学び、彼らの話を聞いて深い感動を得ています。

 貴会は、日本国民はもちろん、世界中から訪れる人々の教育に重要な役割を果たすことになるでしょう。さらに、教材や巡回展(複数の世界言語)を制作することで、センターのメッセージである「ノーモア・ヒバクシャ」が世界的な広がりを持つことになり、被爆者が心の拠り所である世界的な運動にさらなる弾みをつけることになるでしょう。
 私は、被爆者、ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会の主催者と支援者に感謝しています。そして、この極めて重要な活動がさらに発展することを祈っています。
 心からのご挨拶を申し上げます。

2021年11月19日

ピーター・ヴァン・デン・デュンゲン博士(英国)
平和のための博物館国際ネットワーク(INMP)
創設名誉ジェネラル・コーディネーター

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